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2024/04/26 22 : 27
CATEGORY : [展覧会]

 HEAVEN

 広島の「HEAVEN 都築響一と巡る社会の窓から見たニッポン」

展もあと10日。長々と一人よがりなレポートに

うんざりされた閲覧者の方々、もう終わりですよ(^^;)

 この他にも見世物小屋の垂れ幕(美術館での展示は初めてだそう)

やイメクラの部屋やカラオケスナックやら秘宝館やらありますが

取りあえずこれで。

 写真左は韮崎の一食堂のご主人が亡き奥様の御墓を飾ったもの。

ミニ鯉のぼりや二宮尊徳やらポストやら満艦飾。

ちと強引ですが携帯のデコ盛りとかアゲ嬢に通じませんか?

これはご主人亡き後、ご遺族に撤去されて今はありません。

 写真右は、今は閉鎖された鳥羽SF未来館

SF風味のエロ・インスタレーション。
リンク先は18歳未満禁止でーす。)

 セックスミュージアムは世界中にあれど、

エロネタでこんなトンデモSFストーリーを作って見せるなんて

日本ぐらいです。見ていて全くエロさは感じられないけど(笑)

とんでもなくビザールで狂っているこれらを

美術の教育を一切受けていない無名の人達が作ってしまう。

こんな「日本のフォーク・アート」が何も残さず消えるのを

見ていられない都築さんが倉庫まで借りて、保管されていたもの。

 しかるべき場所に出せば、アートとして見られるかもしれない

こんな市井のアート、美術界や文化メディアからは一顧だにされず

やっている人も周りもアートだなんて思っていなく、

日々生まれても顧みられず消えていく路傍の天才達の作品。

性的な物なら、それは尚更。敬意を払われる事もなく

蔑まされ疎まれて地元からも忘れられていく。

 雑誌に載るような非日常なインテリアや美術品が

悪いのではない、けどそれよりも大半の日本人にとって

もっとリアリティがあるものに何故眼を向けない?

面白いのに!!という都築さんの悔しさと焦燥、

怒りがなんとか伝わるといいのですが、非力なもので…

 (また強引なこじつけですが)個人的には

N先生が繰り返し言われているお言葉が思い出されました。

日本の画家がが歌舞伎町や池袋、アキバのような

自分たちに最もありふれた場所を描かずに

ヨーロッパへ行ってお城とか描いてばかりいる

目の前のものから逃げている。という言葉を。


 それにしても楽しい展覧会でした。

素敵な展覧会はこれまで何度も行っていても

これくらい「楽しい面白い」展示は滅多にありません。

遠い特別な所へ行かなくても良く眼を凝らして周りを見れば、

“天国”はそこかしこにある、そう教わった気がしました。

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2010/07/10 20 : 13
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CATEGORY : [展覧会]

和風バロック/爆走デコトラ伝説

 寝る時刻に、爆音でヴォンヴォンパラリラ~

騒がれると殺意をいだきませんか?
 
 そう、私は暴走族が大嫌いです。

(千葉ですから・・・基本です。)

実家は郊外だったので、かなり騒音被害がありましたよ。
 
なのに『HEAVEN 都築響一と巡る社会の窓から見たニッポン』

を紹介したY新聞の記事に、暴走族仕様のカスタムバイク

”お祭り仕様カスタムバイク・魅寿帝”の超デコラティブな姿が

掲載されているのを見て、(『和風バロック』と評されていた)

この展覧会を広島まで行って見たいと思ったのでした。

 ↑リンク先を読んでいただければ分かると思いますが、

私を騒音で悩ましてくれた爆音バイクも、爆走しているようで、

実際はちんたら走っていたのかなと思います。

 画像は、会場での魅寿帝(ミスティ)。

背後にホームレスの『広島太郎』のパネルと立て看板も。

車体の下部に何故か電車の吊革が下げられていますよ(笑)

 ちなみに、音響は「ゴッドファーザー」の主題曲で

爆音を聞かされたら大っ嫌いになっていたと思います。
 

 同じ部屋に、電飾キラキラなデコトラ関口工芸」仕様の

トラックペイントの写真も展示されています。

元々おが屑運送専門のトラック運転手だった関口さんが

愛車に自己流でペイントした絵が評判になり、

「うちの車にも描いてくれ」「うちのも」と注文を受けていたら

それが本業になってしまい、今じゃデコトラ界のカリスマ。

 海外でも紹介されるアーティスト様だ!!

「走っているときに美しく見えるように」

風をイメージして流れるように下書き一切なしで描かれるとか。

 


2010/07/08 23 : 01
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CATEGORY : [展覧会]

ラブホの夢は夜ひらく

「HEAVEN 都築響一と巡る社会の窓から見たニッポン」展も

後もう少しでレポート終わりですからねー。

岡本太郎が手掛けた、と言われたら信じてしまいそうな

あるラブホテルの内装(画像)

 展覧会では多種多様のラブホの写真に、

ご丁寧に名前と連絡先がそえてあります。

 海外の建築家やデザイナーが来日した時、

彼らが真っ先に行きたがる場所は「ラブホテル」だそうです。

デザイナーのこじゃれた建築や神社仏閣ではなくて。

 でも日本ならではのラブホテルを

きちんと取材している業界人なんてまずいないので、

困ってラブホテルに詳しい都築さんに連絡が行くそうです。

 都築さんによると、エロ方面でのクリエイティビティは

日本が世界一で、ラブホテルの内装や各地の秘宝館を

「こんなもの日本にしかないから」

「今取材しておかないと無くなっちゃうから」

と一生懸命訴えても他の人が取材してくれないから仕方なく、

そのうち皆良さが分かってくれると信じて取材して本も出してきたのに

どんどん秘宝館は潰れていくし、ラブホも潰れるし

(あるいは今風のシティホテルに改装される)

本は重版されないし(泣)

 それでも美術館も美術雑誌や建築やインテリア雑誌も、

ましてや美術大学も取り上げない「市井のアート」を

「無くしてしまう前にできるだけ」と今日も取材し続ける。

 旅行の前に行った日本有数の現代美術のギャラリーは、

とってもつまんなかったです。身体も匂いも無い感じ。

でもこの展覧会には体温や匂い、涙も汗もある。
 


2010/07/06 23 : 05
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CATEGORY : [展覧会]

日本超老伝

 広島市現代美術館の展覧会もあと2週間。

やっとここまで来ましたが、今回は私の大好きな

巡礼 珍日本超老伝」から、

「ここ50年ぐらいは他人の言うことをいちども聞いたことがない」

元気で、何ともファンキーなお爺さん達の特集です。


 画像左の「鯨料理むらさき」の鯨型のかつらを被る御亭主

ポートレイト、私はこれをwebで見て

「展覧会見る為だけに千葉から広島まで行くのはなあ」

というためらいを吹っ切って行く決心がつきました。

 アーティストの森村泰昌さんが新聞でやっていた

「変身塾」の企画で希望して作ったそうですが

面白すぎ!!画像右は高田馬場の八百屋の名物おやじです。

 他にもTV等で皆が知っているオリンピックおじさん

金閣寺等の模型やら城を勝手に建てて県と喧嘩する爺さんやら

横浜のドヤ街に寝起きしながら手作りの満艦飾な被りモノを

被って徘徊するパフォーマーの爺さん

エロネタお菓子を売りまくる京都の老舗和菓子屋さん。

 素人の女子のヌードを大枚はたいて撮り続けるけど、

個展はせず、その必要も感じていないお金持ちの爺さんに

退官した元大学教授の女装家もいれば

展覧会カタログに最近の消息が語られていた

東尋坊の「どりゃ―おじさん」まで、

限りなくビザールでアーティスティックな生き方をしつつも

アーティストとして捉えられた事もなかった、

(何より本人が自分でやっている事をアートだと自覚していない)

パワフルなお爺さん達ばかりです。

 これまた盛り沢山で、語りきれません。エネルギー、半端無い。

 
 その人達の多くには、理解ある奥様達がおられるそうで、

まず世間一般から尊敬されないような生き方を好きにさせた

(※言っても聞かないんだろうけど)のは偉いです。

 
 ともあれ、彼らの
「一生反省なんかすんな」

というメッセージ、確かに受け取りましたぜ!押忍!!
 


2010/07/05 22 : 43
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CATEGORY : [展覧会]

幸せな犠牲者たち

 さ、また懲りずに都築響一さんの展覧会レポートです。

『流行通信』で8年続いた人気連載だった

「着倒れ方丈記 HAPPY VICTIMS」より、大判のパネル展示。

 特定のブランドに入れあげるお金持ちはそれなりにいそう、

が、ここでは御贔屓ブランドの100万円のワンピースを買いつつ

狭い部屋でカップラーメンをすする女子等、

衣食住のうち『衣』に極端に大枚はたいて食や住を削りまくる

服オタクが主です。世間からは思いっきり馬鹿にされそうな。

 けど都築さんは彼らにポジティブなパワーを見ています。

レコードを買いまくるDJ志望青年」や「蔵書で部屋の床がぬけた愛書家

は皆特に馬鹿にしないのに。何故だかファッションでそれをやると

違ってくる。驚くのはブランド側からは取材しようとしても

冷淡な反応しか帰って来ず、ひどい時には書面で抗議を受けたそう。

 日本でブランドに一番貢献しているのは彼ら「着倒れ君」だろうに

ブランドのイメージ戦略に合わない、と冷たい扱いしかされない。

 だからfashion victim (ファッションの犠牲者)にかけて

『HAPPY VICTIMS(幸せな犠牲者)』と命名されています。

 そう、彼らすっごく幸せそうです。ここまで人生かける勢いで

愛する(時に信仰って言ってもいい)ものを持てる彼らが

なんだか羨ましくなりましたよ。彼らの賃貸部屋や実家の一室で、

お気に入りのブランドの服(や靴)ばかり並べられた光景は

圧巻。非常に強烈なエネルギーを感じました。


 例をあげると、築30年のエレベーターもないアパートの4階に住む

サラリーマン。(左の画像)エルメスを買いまくり、

エルメスのワイシャツって水洗い出来るんですよ!

と自宅で手洗いしてパンパンと広げて干す日々を送る彼は

汗っかきなので夏場は50万円もの通勤カバンのグリップ部分に

タオルを巻いて行くけど、それもエルメスのバスミトンだ!

 また 右の画像の文化服装学院の通称「マルジェラ先生」は

マルタン・マルジェラのフリークで、食事の時は

服が汚れないように首を伸ばして食べるとか。

 着た服はその日の内に襟袖を洗い、

柄物と白い服は決して一緒に洗わないので

週末に人と会う予定があるとそれぞれの洗濯の順番と

次の1週間の服のコーディネートに悩まされるそうです。

しかも洗濯しても「排気ガスがつくから」と室内干し。

 この男性は生活臭があるのが嫌いで3食とも外食、

台所のガス台も流しも一度も使わず、冷蔵庫には目薬のみ、

ごみ箱も無いので喉が乾いたらコンビニにダッシュして

店先で立ち飲み。トイレは男子でも立ちション禁止!と

デザイナーと住居の大家さん感涙の徹底ぶり。

 ま、普通に「バカ」「頭おかしい」と嘲られるのが普通。

そういう見かたが妥当かもしれませんが、

情熱の深さでは本やレコード等のコレクターになる事や

ペンスケッチに夢中になるのとどこが違うのかとも思います。

 好きが高じてそのブランドに入社しちゃった人もいるとか。


2010/07/04 09 : 32
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